「2010年度 第4回 中・上級者向け講習会」を開催いたしました。
引き続き、藤井真紀子先生にご指導いただきました。
2010年度の最終回です。もちろん審評(テイスティング)がメインの講習会。
毎年最終回は、その年のトピックスとなるお茶を取り上げます。
審評のラインアップは以下の通りです。
1.6大茶類審評
2.祁門紅茶 等級別審評 ①
3.祁門紅茶 等級別審評 ②
4.清香鉄観音 等級別審評
まずは、「中国茶6大茶類」を代表するお茶の審評。
これは本来の意味での審評とは、少しずれてしまうのですが… 中国茶を学ぶ初級者のかたには、プラクティカルにご体験いただけるもの。
・西湖龍井 緑茶 炒青
・六安瓜片 緑茶 ホン青
・君山銀針 黄茶
・白毫銀針 白茶
・濃香鉄観音 青茶
・凍頂烏龍茶 青茶
・祁門紅茶 紅茶
・棗香プーアル茶 黒茶
「炒青緑茶」と「青緑茶」の違い、「緑茶」と「黄茶」の違い、「白茶」と「青茶」の違いを確認します。普段、ティーポット等で淹れたことのあるお茶も、専用の器を使用し、統一された操作のもとで淹れて審評すると、様々な発見をなされます。
また、自分好みのお茶を探る方もいらっしゃいます。審評は好みを探ることではございませんが、まずは、自分の好みのお茶を探ることはとても大切なこと。好みのお茶を継続して楽しんで、自然に体の中でデータベースを作る。お茶の取り扱いが容易になります。
初級者は、「中国茶6大茶類」の違いをみます。
経験者の方は、改めて特徴を見直し、新たなお茶の発見をいたします。
審評は何度行っても、学びがあります。
次に、午前開催の「祁門紅茶 四方山話」とかけて、祁門紅茶 等級別審評、①と②。
① と②は工場が違います。①の祁門紅茶は、“ザ・祁門”と言いたくなるほど、はっきりと祁門香が感じ取れるもの。②の祁門紅茶は華やかな感じ。
近年、青茶をはじめ、様々なお茶が華やかな香り、滋味を醸し出すのが流行っております。やはり、祁門紅茶もその傾向があるようです。
そして、清香鉄観音茶 等級違いの審評です。
「鉄観音茶」は、福建省を代表する青茶(ウーロン茶)の一つです。知名度も高いお茶ですね。元来、「鉄観音茶」は比較的火入れのあるお茶に仕上がっていたのですが、マーケットの流れで、華やかな香りを醸し出す、火入れの浅い「鉄観音茶」が流行っております。
火入れの浅いものを「清香」、火入れのしっかりしたものを「濃香」、清香と濃香の間のものを、「韵香」と表現されることがあります。
「濃香」が良いか、「清香」が良いかと、論議も多くございますが、選択肢が多いことは飲み手にとってはうれしいことですね。
で、審評の結果は…
7等級あった清香鉄観音の内、1と7では値段が20倍も違います。それは、それは、1のバランスの良さ、澄んだ香、ふくよかな滋味。なんといっても、心地よいお茶です。きっと、天候(天)、茶樹(地)、製茶(人)、そのどれもが良かったのでしょうね。
近年、中国経済が上昇傾向にあります。文化の発達とともに、中国茶もより注目をあつめております。国内消費も増え続け、値段も高騰しております。
良いお茶が、良いお茶として消費される。中国茶迷(ファン)にとっては嬉しいことですが、良い茶文化がつづくため、茶畑・生産者(技術)・文化・研究が正しい方向に進んでいくことを切に願っております。
「2010年度 関西中国茶会 中・上級者向け講習会」はこれにて終了です。
ご参加いただきました、お茶のパイオニアのみなさま。辛苦了。
もちろん、2011年度も開催する予定です。 春茶がそろう5月末〜6月中旬に開催する予定です。4月には当ホームページでご案内いたします。 是非とも、ご参加ください。