6月4日(日)、5日(月)に
「2011年度 第1回 中・上級者向け講習会」を開催いたしました。ご報告です。
本年度より、より専門的知識をお持ちの方にも活用していただけるように準備してまいりましたので、気合の入った内容でした。
ご参加いただいた皆様には五感をフルに活用された様子。講習会終了後は疲労感も見られ、ですが、野生の勘を取り戻されたような…そんな感じでした。
講習会をリードしてくださった先生は、(株)遊茶 代表 藤井真紀子先生です。
内容は…
近年の中国茶の動向のお話
中国茶の審評(40種)
・2011年 中国緑茶(春茶)の審評
・2011年 先取り大陸青茶の審評
・2011年 台湾春茶の審評①
・2011年 台湾春茶の審評②
・2011年 台湾春茶の審評③
・2011年 中国・台湾紅茶の審評
お水とお茶の関係の検証
温度とお茶の関係の検証
アレンジティーの提案
いつもながら、どの内容をご報告しようか迷うのですが…
中国茶の動向のお話に少しふれます。
近年アジアを中心に紅茶が盛行している様子。
中国では紅茶の生産量が増加傾向にあるそうで、なんと、河南省の信陽毛尖(緑茶)の産地でも紅茶の生産がはじめられたそうです。
また、台湾でも品種改良や研究が熱心に行われているようで、2010年の当講習会でも触れましたが、紅玉紅茶、紅韻紅茶のように改良品種が誕生したり、青心烏龍での紅茶づくりがはじめられております。
日本でも、各地で紅茶が誕生しておりますよね。
この勢いがどんな発展を見せてくれるのか、お茶好きには気になる行く末。
ちなみに、2008年以降諸問題で下降気味だったプーアル茶市場も上昇の兆しだそうです。
本年の秋冬は間違いなく、様々な紅茶やプーアル茶でホットな時間を過ごせそうですね。
そして、審評です。今回は、白毫銀針をテーマにご報告します。
見てください。(2010年の画像が悪すぎますが…すみません。)
白毫銀針は福建省の政和県、福鼎県が産地とされています。
政和県産の白毫銀針を2008年から2010年で比較していきますと、芽は痩せているわけではないのに、年々荒々しい、出で立ちに仕上がっております。
どうも、ヨーロッパ方面でも人気が高まりつつあり、近年はよりオーガニックな茶園管理をなされているそうです。
もしやして、荒々しい外観ではなく、野生味を帯びてきているのでは…
そこで、審評です。
外観からは想像できないほどの芳醇な香気、滋味でした。茶殻の状態も良かったです。
きっと、お茶の樹が、お茶の樹らしく育つことができる、茶園管理となっているのでしょう。
是非とも、政和の茶園に行ってみたいと思ったのでした。
ちなみに、下記画像が福鼎県産の白毫銀針。産毛の状態が違うんです。
そして、お水とお茶の関係の検証のご報告といきたいのですが、なにしろ、あまりにも有意義な内容で、どう、みなさまにお伝えしたらよいのやら…
ホント、勉強になりました。
同じ茶葉で、茶葉の量、蒸らし時間、湯量、統一した道具に、操作。なのに、お水が違うことで、まったく違う表情を見せてくれます。
下記の画像は、東方美人を硬度違いの水で審評したもの。
水色が違うことわかりますでしょうか?
確か、唐代の陸羽も、宋代の徽宗皇帝も… 様々な歴史人物も唱えてきた、お茶を淹れる際のお水の選定。納得です。
次回も検証する予定なので、またご報告させていただきます。
おまけは、当会からの提案、アレンジティーを楽しんでいただく時間。
最近、当会の初級者向け講習会、そして、お茶会、様々な宴で人気なのがアレンジティー。
お茶は、熱く淹れて飲むのが一番ですが、やはり、いつもと違う雰囲気、斬新さ、自由度、ということからはお茶の自由なアレンジは否定できないのです。
今回、お楽しみいただいたアレンジティー
嶺頭単ソウ×はちみつレモン×ソーダ
日本緑茶×キウイシロップ(果肉入り)×ソーダ
東方美人×パイナップルシロップ×ソーダ
文山包種×はちみつレモン×ソーダ×乾燥メイグエイ蕾2〜3個
決して、自由をはき違えないでくださいね。自由は一定のルールのもとだから生かされるのです。ルールなき自由は怠慢となるわけであって…
お茶をベースとした自由なアレンジならば、まずはお茶のルールは把握した上でアレンジすることをおすすめいたします。
きっと、お茶を生かした素敵なアレンジティーができますよ。
当会の おうち茶館・活用編 中国茶DEカクテル で、レシピを公開いたしております。
是非ともお試しください。
次回の「第2回 中・上級者向け講習会」は9月もしくは10月のいずれかの日に開催いたします。
青茶、紅茶がメインの審評、お水とお茶の関係の検証等、盛り沢山な内容になると思います。
お茶をもって飛躍されたい方、是非ともご参加ください。
7月半ばにご案内させていただきます。