お待たせいたしました!!

2011年10月16日(日)・17日(月)開催 「第2回 中・上級者向け講習会」のご報告です。

今回も、(株)遊茶・代表 藤井真紀子先生に講師を務めていただきました。

今回の審評は、岩茶品種別審評、鳳凰単ソウ品種別審評、紅茶品種と等級別審評、龍井品種別審評、白茶品種別審評。毎回申しておりますが、本当に充実した内容です。

まずは、感動したご報告!! 今年の岩茶の素晴らしいことといったら何とも形容のしようがございません。あえて申すなら、これぞ岩茶でしょうか。

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 (右写真は霧がかかる武夷山)

岩茶は福建省北部地方で生産される青茶です。その中でもあの世界遺産に登録されている武夷山で生育する茶樹はとても品質が高いといわれております。武夷山は奇岩、奇峰の間を曲がりくねった川が流れる、まるで水墨画の世界です。(写真をご覧になればご納得いただけますでしょう。)一日中霧で覆われていることもあります。霧の出るところには良い茶が育つと俗に言いますが、まさしく茶樹の生育に好条件の環境です。

そんな環境だからこそ優れた茶樹が生育します。

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その茶樹から摘み取られた生葉は熟練した職人さんによって製茶されます。青茶は生葉を摘み取りした後、萎凋、做青、殺青、揉捻、乾燥の工程が施されます。

特に岩茶の萎凋と乾燥工程には細心の注意が払われます。製茶の基本は“看茶做茶(茶を見て茶を作る)”。萎凋は天候、気温、湿度を考えながら行うそうです。

乾燥では“老火”という工程で、茶葉を専用の焙機(竹製)に入れ、下から炭火でゆっくりと火入れを重ねます。老火は専門の職人さんが24時間体制で管理する、重要な工程です。

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老火の工程を経るからこそ、あの、奥行きのあるロースト香が生まれるのですね。そして、その奥には蜜のような濃厚な香り、風味があります。香りだけではなく、味もそうですね。このことを岩韵と表現します。

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 左写真 岩茶大紅袍                  右写真 岩茶鉄羅漢

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 左写真 岩茶水金亀                  右写真 岩茶白鶏冠

今年の岩茶は素晴らしい岩韵のあるお茶だったのです。写真で見ていただいてもお判りでしょうか?茶葉が黒々とし、つやがある。それでもって縒りも美しい。苗峰(先端の尖り)があり・・・状態の良い葉を熟練した職人さんの手によって仕上げられたお茶たちでした。

一時期、軽い火入れのお茶の流行にて、老火の弱い岩茶が流行っていましたが、近年は老火の工程がしっかりとなされている岩茶が流行ってきているようです。

審評ではお茶を飲みこむことはしないのですが(厚み、回甘を見るため吐き出します)、12種の岩茶の審評を終えたみなさまは、なぜかお顔がピンク色になられ、体がぽかぽかでした。

ほんとにすばらしい岩韵を感じることができました。こういった経験は審評を行っているものにとってはとても幸せを感じる瞬間です。

あっ、長くなってすみません。次の報告に進みます。

面白い審評では、龍井茶の品種違いの審評です。

乾燥茶葉を見る限り、見分けが付きにくいですよね。

左写真 龍井43号種   中写真 烏牛早種   右写真 安吉白茶種

やはり、審評を終えると、香り、色、滋味、茶殻ははっきり違うことがわかります。

こういう審評を行うと、茶葉を仕入れるとき、取り扱う時にはやはり審評ができることは重要だと改めて感じます。

審評はその日に始めたから、すぐに理解できるものではないのですが、コツコツ重ねていくうちに、自分の身体で、五感で、偏りがなくお茶を鑑る、把握することができるようになります。

その経験は、どんな高い専門書を網羅するよりも貴重なものです。

お茶を把握できるからこそ、お茶を容易に取り扱えることができる。基本的なことなのですがおざなりにされているような気もします。

お茶を愛する者としては、皆さんに審評の素晴らしさを熱くお伝えしたいと思ったのでした。

他にも有意義な審評をおこないましが、長くなりますので、白牡丹の報告を少しだけ。

以下の2種は白牡丹といわれるもの。一つは大白種、もう一つは水仙種。

見た目でも産毛の状態、葉の状態が違いますね。もちろん、香り、滋味、水色も違いました。毫香という産毛の香りの違いには圧倒されました。

  左写真 大白茶種    右写真 水仙種

お水とお茶の研究では、前回に引き続き、4種の硬度のお水(お湯)で岩茶類、鳳凰単ソウ類、白茶、紅茶、鉄観音類を審評しました。

お水の硬度を変えただけなのに、お茶の表情がはっきりと変わるのです。お茶とお水の関係、深く考えすぎて神経質になってはいけないのですが、やはり、時折こういう経験を踏んでお茶に合うお水を選ぶこともお茶遊びのロマン〜

皆さんも試してみてくださいね。(あっ、当会にご参加されてご経験いただいてもいいですよ)

そして、お茶を温度違い、器違いで美味しく淹れる研究を行い・・・

2日間は怒涛のごとく過ぎ去りました。

今回もご参加いただいた皆様は、お茶との会話で大忙し。そして毎回、感じるのですが、五感をフル活動されたみなさまは野性味を帯びられた人間です(笑)

ご参加ありがとうございました。そして、藤井老師 辛苦了!!

ご報告とさせていただきます。

次回は年明けに開催予定です。日程が決まりましたらトップページでご案内させていただきます。

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