去る、2011123日(日)に『祁門紅茶 四方山話』講演会を、

 関西で紅茶を主とし活動されている「関西発紅茶をたのしむ会」と、「関西中国茶会」で共同開催いたしましたので、ご報告です。 

 募集をかけてからわずかな日数で満席となり、キャンセル待ちも出るぐらい、開催前より盛況でした。43名の方にご聴講いただきました。 

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 これぞ、関西人の紅茶文化のレベルの高さ、と、申しましょうか!!!

ご参加いただいた皆様の、紅茶、いえ、お茶に対する意識、知識の高さは格別でした。

 お寒い中、お越しいただきありがとうございました。

 好評をいただきましたので、少々長めのご報告とさせていただきます。

  『祁門紅茶 四方山話』(株)遊茶 代表、日本中国茶協会 常任理事の藤井真紀子先生に講演いただきました。 

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 講演内容は、中国茶とは…、中国の地理、お茶のマーケット…、そして祁門紅茶のお話と、まさに四方山話。 

  まずは、中国茶とは…のお話。中国茶を捉えるうえで、よく出てくるのが、「中国茶6大茶類(緑茶・黄茶・白茶・青茶・紅茶・黒茶)」決して「中国茶6大茶類」がすべてではございませんし、優れていると断言もできませんが、「中国茶6大茶類」は、お茶、中国茶を把握する上ではとても重要で、自分の中でお茶を整理するのに役立ちます。長年、中国茶を楽しむ私達でさえ、今でも「中国茶6大茶類」の素晴らしさに感銘を受ける時があります。 

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 なにが、そんなに?とお思いの方もいらっしゃるでしょう。 

 例えば、紅茶をたのしむ時に、緑茶や青茶(ウーロン茶)を知った上で楽しむことは、紅茶の特性がよりわかり、より楽しむことができます。全体を捉えたうえで、比較をすることは、とても有意義なティータイムとなるわけです。中国茶がすべてではございません。ですが、お茶を把握する指標として、「中国茶6大茶類」を習得なさいますこと、お勧めいたします!! 

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  そして、地理のお話。普段、お茶を飲む時に、地理まで思い浮かべていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。まずは、美味しいか、好みの味なのかを考えますよね。 

  中国茶の審評(テイスティング)の世界では、地域香をチェックする項目がございます。

 ?!?!ですよね。初めて、地域香を確認すると聞いた時には、頭の中がパニックになりました。ですが、意識して審評すればわかります。お茶は、地域により特性を持っております。ですので、地理を抑えておくことは、とても重要なポイントとなります。また、地理を知ることは、様々な文化や歴史を垣間見ることができ、さらにお茶を楽むことができます。しまいには茶畑視察に出かけたくなります。 

参加のみなさまには講演をご聴講いただきながら、5種の紅茶を試飲いただきました。以下が、試飲いただいた紅茶です。

  祁門紅茶 特級  安徽省黄山市祁門県産  ティーポット淹れ(45mlの湯に9gの茶葉使用)

  祁門紅茶 特級  安徽省黄山市祁門県産  蓋碗淹れ(150mlの湯に3gの茶葉使用)

  ダージリン セカンドフラッシュ  インド西ベンガル州ダージリン ジッタパハール茶園産  ティーポット淹れ(45mlの湯に9gの茶葉使用)

  ダージリン セカンドフラッシュ  インド西ベンガル州ダージリン ジッタパハール茶園産  蓋碗淹れ(150mlの湯に3gの茶葉使用)

  祁門紅茶 紅香螺  安徽省黄山市祁門県産  ティーポット淹れ(45mlの湯に9gの茶葉使用)

 テン 紅 特級  雲南省臨滄市鳳慶県産  ティーポット淹れ(45mlの湯に9gの茶葉使用)

  台湾 阿薩姆(アッサム)  台湾南投県日月潭魚池郷  ティーポット淹れ(45mlの湯に9gの茶葉使用) 

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  講演会のお題は『祁門』なのに、なぜ、祁門以外のお茶の試飲なんて…なんて思いのお方もいらっしゃるのでは? ただラインナップしたわけではありません。様々な考えがございました。

 まずは、「祁門紅茶」「ダージリン」

 「関西発紅茶をたのしむ会」さんは、昨年より世界三大紅茶(中国茶の世界では、世界三大高香紅茶と申します。)を探求なされており、昨年は「ウバ」をお題とした講演会を開催されていらっしゃいました。今回は、「祁門紅茶」を探求なさるとのこと、当会と共同企画での開催となりました。なので、「祁門紅茶」に+αがあった方が良いと考え、ならばダージリンも飲み比べて頂こうと。

 当会が推奨する、プラクティカルなお茶の体験、体感。ついでに、ティーポット淹れと蓋碗淹れも試飲いただきました。

 “何かが違う”、”お茶の個性は様々“ 、”私の好みは…“等々、様々にご反応いただきました。 

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  次に、「祁門紅茶 特級」「祁門紅茶 紅香螺」の飲み比べ。これは、かなり高いレベルでの等級違い。

 「祁門紅茶 紅香螺」は祁門紅茶の中でも、特別の製法を経たものです。茶葉の品質、製茶する技術、両者が高く求められます。なんでも、工場の危機にて昨年は市場に出なかった代物。この講習会が飲み納め!!! なんてお話があり、会場は“ウワー”との反応。

 「祁門紅茶」を熟知されている方は、惜しんで試飲なされておりました。

  高級茶とは、出来が素晴らしいお茶、希少なお茶、値段が高価等、いろいろな意味を持ちあわせますが、「祁門紅茶 紅香螺」は出来が素晴らしく、希少なお茶。是非とも復活してほしいと思いますと同時に、素晴らしいお茶を、飲み手で守っていく。そんな活動が必要だと改めて感じました。

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 そして、「テン紅 特級台湾阿薩姆」試飲です。中国紅茶は祁門紅茶だけではありません。「正山小種(ラプサンスーチョン)」、「九曲紅梅」「宜興紅茶」「政和工夫」「紅玉紅茶」…様々な地域で紅茶は生産されます。 

 「祁門紅茶」は小葉種または中葉種です。そして、「テン紅」は中葉種、「台湾阿薩姆」は大葉種。茶殻の観察まで行っていただきました。 

 台湾紅茶は以前当ホームページでご紹介しております。ここをクリック 

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 祁門紅茶のお話は、

・祁門紅茶の茶樹品種について

・祁門紅茶の萎凋、揉捻、発酵、乾燥について

・祁門毛茶品質規格(特級、1級・・・・5級)について

・祁門紅茶正茶品質規格(紅香螺、特級、1級・・・・7級)について

・祁門紅茶審評について

・祁門紅茶の歴史について

と、盛り沢山な内容でした。 

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 ましては、きなこあられ、紅茶クッキー、ドライトマト、酒饅頭とお茶のマリアージュまで考えてくださいなんて… 

 講義の進行と同時に、紅茶の試飲、茶葉、茶殻の確認に、記録に、マリアージュの確認と、みなさま大忙し。 

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 2時間の講演は怒涛のように進行し、終了いたしました。

 辛苦了(お疲れ様です。)!!! 

 みなさまの、祁門紅茶の世界、中国紅茶の世界、中国茶の世界、お茶という世界、少しでも発展なさいますことを心より願っております。

  また、藤井真紀子先生の、惜しみないお茶、情報のご提供に、改めて感謝いたします。  

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